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マイセンの陶器工場

北のフィレンツェと呼ばれるドレスデンからエルベ川を下って約30キロのところに、ヨーロッパで最初に
磁器工場が置かれたマイセンという町があります。

1701年、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーという薬剤師がベルリンで、「銀貨から金貨に変えれる」、
と口からでまかせを言った所、あっという間にその噂が広がり、ベルリンからザクセンに逃げたところで逮捕され、
その当時のザクセンのアウグスト強力王に、「金、さもなくば死刑」、と脅かされ、1709年にヨーロッパで
最初の白磁器の製作に成功し、やっと首が繋がりました。

その白磁器製法の秘密を守るため、工場はマイセンの高台にあるアルブレヒツブルク城が選ばれ、
その天井裏から地下室までが白磁器製作のために使用されました。

それまでは、中国の景徳鎮や日本の有田からの輸入に頼っていた白磁器がヨーロッパでできたために、
この製作によって破産寸前であったザクセンに膨大な富をもたらしました。

製作者であったべトガーは、かわいそうにアルブレヒツブルクから1歩も出ることが許されず、最後は
酒におぼれて、37歳のその短い生涯を終えます。

マイセンと言えば、ブルーオニオンやきれいな絵付けされた作品が代表的ですが、裏に描かれた交差剣の
トレードマークは、その品質を保証するものととして世界に知られています。

東ドイツ時代は、生産された品物は、そのほとんどが輸出用に回され、東ドイツではわずかながら、
インターショップと呼ばれる、いわゆるドルショップ以外ではほとんど手に入ることはありませんでした。

現在では、日本からの多くのお客様がこの工場を訪れますし、私の個人旅行のお客様をドライバーガイド
としてドレスデンに行く場合は必ず観光にお連れすることにしています。

お客様は、「ここに来た記念に」、と何かしらをお買い求めになりますが、産地直売とはいえ、
さすがに高いものに変わりはありません。

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